物確電話の自動応答システム比較【2026年】スマート物確・物確.com・ぶっかくん・AI電話の違いと、管理会社の選び方

2026.09.18監修:株式会社Rabona AI 代表取締役 鳥邉 翔

この記事は、賃貸管理会社の管理担当・リーシング担当、そして仲介店舗からの物確(物件確認)の電話に追われている会社に向けて書いている。繁忙期になると「空いていますか」「申込は入っていますか」という同じ電話が一日中鳴り、担当者はデータを見れば分かることを電話で答え続ける。この物確をどう自動化するか、どのサービスをどう選ぶかを整理する。

結論から書く。物確は「空室データを見れば答えが決まる電話」なので、管理会社の電話業務の中で自動応答に最も向いている。自動化の道具は、スマート物確・物確.com・ぶっかくんのような物確専用の音声応答型と、代表電話にかかってくる物確以外の入電も同じ番号で受けられるAI電話型に分かれる。専用型は物確に特化し管理システムとの連携が前提、AI電話型は用件を聞き分けて設備トラブルや解約の受付まで担う。物確だけ切り出したいなら専用型、代表電話ごと一次受けを自動化したいならAI電話型、というのが選び方の軸になる。


物確とは何か? なぜ物確の電話は減らないのか?

物確とは、仲介会社が入居希望者に物件を案内する前に、管理会社や元付会社へ募集状況を確認する業務である。「まだ募集中か」「申込は入っていないか」「内見の鍵はどこで受け取るか」を電話やFAXで確認する。仲介会社にとっては、募集終了の物件を案内してしまう事故を防ぐ必須の工程で、管理会社にとっては、答えが決まっているのに一件ずつ人が応答する電話である。

減らない理由は3つある。ひとつは、物確の発生元が自社ではなく仲介会社側にあることで、自社の努力で件数を制御できない。もうひとつは、繁忙期に集中することで、1月から3月は同じ物件に何十件も物確が入り、担当者が電話から離れられなくなる。最後に、空室ボードやポータル上の情報更新が追いつかず、電話で確認するのが一番確実だと仲介会社が判断してしまうことである。いえらぶCLOUDは、繁忙月の物確電話を約10,000本・約333時間と試算している。空室データを見れば答えが決まる電話に、社員1人の2か月分に近い時間が使われている計算になる。

物確を管理会社の電話全体の中でどう位置づけるかは、賃貸管理会社の電話対応をAIで自動化する方法で3系統(物確・設備トラブル・手続き)に分けて整理している。本記事はその中の物確を深掘りする。

物確を自動化する方式には何があるのか? 3つの方式の違い

物確の自動化は、電話を「受けない」方式と、電話を「機械が受ける」方式に分かれる。後者はさらに、物確専用に作られた音声応答型と、代表電話全体を受けるAI電話型に分かれる。

方式仕組み向いている会社限界
Web空室ボード・FAX募集状況をWebやFAXで公開し、仲介会社に見てもらう元付物件が多く、仲介会社との関係が固定している会社更新が遅れると結局電話が来る。夜間・休日の確認には答えられるが、鍵手配は受けられない
専用の音声応答型物確専用番号にかけると、音声認識で物件を特定し、空室状況を自動で回答する物確の件数が多く、管理システムに空室データが整っている会社物確以外の用件は受けられない。仲介会社に専用番号の周知が必要
AI電話型代表電話にかかってきた電話の用件を聞き分け、物確なら空室回答、設備トラブルなら聞き取り、解約なら受付をする物確だけでなく、入居者からの電話も含めて一次受けを自動化したい会社物確専用のデータ連携は専用型ほど作り込まれていない場合がある。応答の自然さと聞き取り精度はサービス差が大きい

Web空室ボードは物確の総量を減らす施策で、音声応答型とAI電話型は残った電話を機械が受ける施策である。両方を組み合わせるのが実務では一般的で、空室ボードで減らしたうえで、それでも来る電話を自動応答に回す。

主要サービスは何がどう違うのか? 比較表

公開情報で確認できる範囲で、代表的なサービスを同じ軸で並べる。料金は各社とも公開情報では確認できないため要問い合わせとしている。機能の詳細は各社の公式ページで最新情報を確認してほしい。

サービス提供元対象の電話物件の特定方法特徴(公開情報)料金
スマート物確アットホーム専用の音声応答型物確専用番号AIによる音声認識で物件を特定管理会社が物件ごとに回答項目と文章を設定し、仲介会社が専用番号にかけると自動で回答する。2017年9月に提供開始と、この分野では歴史が長い要問い合わせ
物確.com物確.com専用の音声応答型物確専用番号音声認識(認識率95%以上と公表)仲介会社が24時間365日、全国どこからでも電話の自動音声で空室状況を確認できる。Webでの物件確認機能も持つ要問い合わせ
ぶっかくんイタンジ専用の音声応答型物確専用番号音声認識で発話から物件を特定空室確認を自動音声で24時間応答する。運営はイタンジ(業者間サイトも提供)要問い合わせ
賃貸管理AIコールセンターくん株式会社Rabona AI(当社)AI電話型代表電話(物確・設備トラブル・解約・更新を同じ番号で)話し言葉から物件名・号室を聞き取り、復唱で確認物確の空室回答と鍵手配の受付に加え、設備トラブルの緊急度判定と取次、解約・更新の受付を24時間一次受けする。結果はLINE WORKS・Slack・メールに通知月額基本料+従量(席数課金なし)。試算提示
Bell AI Call合同会社BluesAI電話型代表電話カスタムシナリオで設計不動産・賃貸管理向けにシナリオを設計できるAI電話代行。物確電話と入居者対応の両方を対象とする要問い合わせ

当社(株式会社Rabona AI)はAI電話型の提供事業者であるため、比較は公開情報にもとづく事実の整理に留め、優劣の断定はしていない。専用型の3サービスは物確に特化しているぶん、空室データとの連携と仲介会社向けの導線が作り込まれている。AI電話型は、物確を「代表電話にかかってくる用件のひとつ」として扱い、他の用件と同じ番号で受けられる点が違いである。

管理会社はどの基準で選べばよいのか? 5つの基準

1. 自動化したい電話は物確だけか、代表電話全体か?

最初に決めるべき軸である。直近1か月の入電を「物確」「設備トラブル」「手続き・確認」に分けて数え、物確が大半で他は少ないなら専用型、設備トラブルや解約の電話も無視できない件数なら AI電話型を候補にする。物確が繁忙期だけ突出する会社では、繁忙期は専用型、通年の代表電話はAI電話型という併用も成り立つ。

2. 空室データはどこにあり、どう連携できるか?

自動応答の正確さは空室データの鮮度で決まる。自社の管理システム名を伝えて連携の可否を確認し、連携できない場合はCSV取り込みの頻度と手順を確認する。申込が入った瞬間に応答内容が変わらないと、二重申込の原因になる。

3. 仲介会社に専用番号を案内できるか?

専用型は仲介会社に物確専用番号を周知する必要がある。取引先の仲介会社が多く、周知に時間がかかる会社では、代表番号のまま始められるAI電話型のほうが立ち上がりが早い。逆に、取引先が固定していて周知が容易なら専用型の導線は強い。

4. 鍵手配・内見受付まで受けられるか?

物確の電話は空室確認で終わらず、「では内見したいので鍵の受け渡しを」と続くことが多い。空室回答だけで切れると、結局担当者に電話がかかる。希望日時を受け付けて担当者に通知するところまで自動化できるかを確認する。

5. 聞き取れなかったときに人へ渡す経路があるか?

物件名は固有名詞で、似た名前や号室の聞き間違いが起きる。復唱で確認し、特定できなければ担当者へ取次ぐ、留守電と折り返しを案内する、といった経路が設計されているかを、導入前のデモで実際に聞いて確かめる。

費用を方式横断で比べる手順は賃貸管理の電話代行とAI電話の費用比較にまとめている。初期費用・月額・従量の3つに分け、繁忙月の件数で1件単価に換算すると比べやすい。

AI電話型で物確を受けると、会話はどう流れるのか?

AI電話型で物確を受ける場合の流れを、仲介会社の担当者との会話例で示す。物件名は架空である。

話者発話処理
AIお電話ありがとうございます。○○管理でございます。物件の確認でしょうか、それともご入居中のお問い合わせでしょうか。用件を聞き分ける
仲介物確です。グリーンハイツ北町の203号室、まだ空いてますか。物件名と号室を聞き取る
AIグリーンハイツ北町の203号室ですね。確認いたします。現在も募集中で、お申込みは入っておりません。復唱で確認し、空室データを参照して回答
仲介内見したいんですが、鍵はどうすれば。鍵手配の受付に進む
AIご内見の希望日時をお伺いします。ご希望の日にちと時間帯をお願いします。希望日時を聞き取る
仲介明日の14時ごろで。
AI明日の14時ごろですね。会社名とお名前、折り返しのお電話番号をお願いします。仲介会社名・担当者名・番号を聞き取る
仲介△△不動産の田中です。番号は……
AI△△不動産の田中様ですね。鍵の受け渡し方法は担当者から折り返しご連絡いたします。ありがとうございました。担当者へ通知して終話

この会話で自動化されているのは、用件の聞き分け、物件の特定と復唱、空室回答、鍵手配の受付、担当者への通知である。人が関わるのは鍵の受け渡し方法の折り返しからで、それも通知内容を見て折り返すだけになる。聞き取れなかった場合や、条件交渉のような判断が必要な発話が出た場合は、担当者へ取次ぐか折り返しを案内する。賃貸管理AIコールセンターくんでは、この流れを物確のテンプレートとして用意している。

物確以外の入電も同じ番号で受けたい場合、どう設計するのか?

代表電話には、物確のほかに入居者からの設備トラブル、解約や更新の手続き、家賃の引き落としに関する確認がかかってくる。AI電話型で代表電話ごと一次受けする場合は、冒頭で用件を聞き分け、用件ごとに別のフローへ進める設計にする。

物確専用型と併用する場合は、仲介会社には専用番号、入居者には代表番号という住み分けにし、代表番号にかかってきた物確はAI電話型が受ける、という二段構えにすると取りこぼしがない。実績として、当社事例の宝宮設備様では設備対応の受電の約9割をAIが完結し、IVRy公式事例の東急社宅マネジメントでは社宅6.9万戸の一次受付で90%超の自動化と月間800時間超の削減が公表されている。賃貸管理の入電は用件が定型化しているため、方式を問わず自動化率が高く出やすい業務である。

なお、入居希望者からの反響(問い合わせ)への電話は、入居者対応とはゴールが違う営業活動なので、当社では反響AIコールくんとして別のフローで設計している。

導入はどう進めればよいのか? 5つの手順

  1. 直近1か月の入電を用件別に数える。物確が何件で、繁忙期にどこまで増えるかを把握する。ここで専用型かAI電話型かの見当がつく。
  2. 空室データの置き場所と更新の流れを確認する。管理システムとの連携可否、CSV取り込みの頻度、申込が入ったときの更新手順を決める。
  3. 応答内容を決める。回答する項目(募集中か、申込の有無、内見の可否、鍵の受け渡し)と、答えない項目(家賃交渉、条件変更)を決める。
  4. デモで応対音声を聞く。物件名の復唱、聞き取れなかったときの案内、担当者への取次の流れを実際の音声で確かめる。
  5. 繁忙期前に小さく始める。営業時間外だけ、あるいは担当者が出られなかったときだけAIに回す設定で始め、通知内容を見ながら日中にも広げる。

管理会社の電話を全体として減らす考え方は管理会社の電話が減らない理由と減らす方法で扱っている。物確の自動化はその中でも、着手しやすく効果が見えやすい入口である。

よくある質問

物確とは何ですか?管理会社にとって何が負担なのですか?

物確(物件確認)とは、仲介会社が入居希望者に物件を案内する前に、管理会社や元付会社へ「この物件はまだ募集中か」「申込は入っていないか」を電話やFAXで確認する業務のことです。答えは管理会社の空室データを見れば決まりますが、繁忙期には同じ物件について何十件も同じ電話がかかり、担当者が電話に張り付いて本来の管理業務が止まります。いえらぶCLOUDは繁忙月の物確電話を約10,000本・約333時間と試算しており、答えが決まっている電話にこれだけの時間が使われているのが負担の正体です。

専用型(スマート物確・物確.com・ぶっかくん)とAI電話型はどちらを選ぶべきですか?

物確だけを切り出して自動化したい、すでに管理システムに空室データが整っている、仲介会社に物確専用番号を案内できる、という条件がそろっていれば専用型が向いています。物確に加えて設備トラブル・解約・更新など代表電話にかかってくる入電も同じ番号で一次受けしたい場合は、用件を聞き分けて対応するAI電話型が向いています。両者は排他ではなく、物確は専用型、代表電話はAI電話型という併用もできます。判断の軸は「自動化したい電話が物確だけか、代表電話全体か」です。

仲介会社に新しい電話番号を案内しなければなりませんか?

専用型のサービスは物確専用の番号にかけてもらう設計が多く、仲介会社への周知が必要です。AI電話型は、いまの代表番号のまま営業時間外だけAIに回す、担当者が出られなかったときだけAIに回す、といった設定ができるため、番号を変えずに始められます。賃貸管理AIコールセンターくんも現在の番号のまま利用でき、仲介会社にも入居者にも新しい番号を案内する必要はありません。

空室状況はどうやってAIに反映するのですか?

方法は大きく2つあります。ひとつは管理システムや空室一覧と連携し、AIが応答のたびに最新の空室状況を参照する方法です。もうひとつは、募集中の物件一覧をCSVなどで定期的に取り込む方法です。連携できる管理システムはサービスごとに異なるため、選定時には自社の管理システム名を伝えて連携可否を確認してください。取り込み型でも、申込が入った時点で一覧を更新する運用にすれば、二重申込のリスクは抑えられます。

AIが物件名を聞き間違えたらどうなりますか?

物件名は固有名詞で、似た名前の物件や号室の聞き間違いが起きやすい領域です。実務では、AIが聞き取った物件名と号室を復唱して仲介会社に確認し、一致しなければ再度聞き取る、それでも特定できなければ担当者へ取次ぐ、という流れにします。専用型では音声認識率を公表しているサービスもあり、物確.comは95%以上としています。どの方式でも、聞き取れなかったときに人へ渡す経路を設計しておくことが、誤回答を防ぐ要点です。

料金はどのくらいかかりますか?

各サービスの料金は、公開情報で確認できないものが多く、比較記事では要問い合わせとしています。比較するときは、初期費用、月額基本料、件数や物件数に応じた従量の3つに分けて聞き取り、自社の繁忙月の物確件数を当てはめて1件あたりの単価に換算すると、方式の違いを超えて比べられます。賃貸管理AIコールセンターくんは月額基本料と従量課金の組み合わせで、席数による課金はありません。管理戸数と月間の入電件数をお伺いして試算をお出ししています。


この記事は反響AIコールくん運営チーム(株式会社Rabona AI)が、各社の公開情報と当社導入事例をもとに作成し、音声AIの開発・運用実務の観点から監修しています。当社はAI電話型サービスの提供事業者です。他社サービスの仕様・料金は変更される場合があるため、最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。

更新履歴: 2026-09-18 初版公開

物確も、設備トラブルも、同じ番号でAIが一次受け

賃貸管理AIコールセンターくんは、物確の空室回答と鍵手配の受付に加え、設備トラブル・解約・更新の電話を24時間AIが一次受けし、緊急のみ担当者へ取次ぎます。応対音声はデモでお聞きいただけます。

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