賃貸管理会社の電話対応をAIで自動化する方法 -- 物確・夜間・定型の3系統で考える

2026.09.13監修:株式会社Rabona AI 代表取締役 鳥邉 翔

賃貸管理会社の電話は、管理戸数を増やすほど増え、担当者が電話に張り付くほど本来の管理業務が止まります。ただし、鳴っている電話の中身を分けてみると、大半は「聞き取る項目が決まっている電話」です。この記事では、管理会社の電話を3系統に分け、それぞれをAI電話でどこまで自動化できるか、どの順番で進めるべきかを整理します。


管理会社の電話は3系統に分かれる

入電を用件で分類すると、次の3つに集約されます。

系統主な用件性質
物確(仲介会社)空室確認、内見の鍵手配繁忙期に集中し、1件ごとの内容は同じ
設備トラブル水漏れ、鍵、エアコン、給湯器、共用部時間を選ばない。緊急度の判定が必要
手続き・確認解約受付、更新、家賃の引き落とし、駐車場日中に集中。答えが規程で決まっている

物確については、いえらぶCLOUDが繁忙月の物確電話を約10,000本・約333時間と試算しています。空室データを見れば答えが決まっている電話に、これだけの時間が使われている計算です。

系統別に、AIで自動化できる範囲

1. 物確:空室状況の回答と鍵手配の受付

AIが物件名・号室を聞き取り、空室状況を回答します。内見の鍵手配は希望日時を受け付けて担当者へ通知します。条件交渉や複数物件の細かな確認は人へ渡します。管理システムの空室データと連携できれば、繁忙期の物確を担当者からほぼ切り離せます。

2. 設備トラブル:聞き取りと緊急度判定

AIが物件名・号室・氏名・症状を聞き取り、緊急度を判定します。「水が止まらない」「鍵が開かない」「ガスの臭い」のように即時対応が必要な症状は担当者や協力業者へその場で取次ぎ、「エアコンの効きが悪い」「網戸の建て付け」のような症状は受付を記録して翌営業日の対応を案内します。この線引きを管理規程から起こしておくことが、深夜の不要な取次を防ぐ要点です。

3. 手続き・確認:定型回答と受付

家賃の引き落とし日、更新書類の書き方、解約の受付、駐車場の空き状況はAIが定型で回答・受付します。必要書類の案内はSMSで送ると、口頭で伝える際の聞き間違いを避けられます。滞納に関する交渉や、騒音などの近隣クレームは、聞き取りと記録までに留めて人へ引き継ぎます。

公表されている自動化率

「AIで7割対応できる」といった数字は各社が出していますが、根拠が自社シミュレーションのものが多くあります。公式に確認できる実績を挙げます。

一次ソースで確認できる事例全体では、代表電話の一次受付の自動化率は50〜60%台に集まります。住まいの管理業務で90%前後が出るのは、入電の用件が上の3系統に定型化しているためで、賃貸管理はAI電話が効きやすい部類の業務です。

進め方:夜間の設備一次受けから始める

  1. 直近1か月の入電を3系統に分けて数える。自動化できる比率の見当がここでつきます。管理戸数あたりの入電率が分かると、戸数拡大時の電話増加も予測できます。
  2. 夜間・休日の設備一次受けから始める。効果がもっとも分かりやすく、現行業務への影響が小さい入口です。外注している場合は1件単価の比較がすぐできます。
  3. 緊急度の線引きを決める。即時取次する症状のリストを管理規程から起こします。
  4. 応対フローを作り、デモで聞く。物件名の聞き取りや復唱の仕方を実際の応対音声で確認します。
  5. 日中の定型用件と物確へ広げる。担当者が受ける電話を、判断が必要なものだけに絞っていきます。

失敗しないための3つの線引き

よくある質問

いまの電話番号のまま使えますか?

使えます。営業時間外だけ、あるいは担当者が出られなかった場合だけAIに回す設定もできます。入居者に新しい番号を案内する必要はありません。

高齢の入居者でも使えますか?

番号を押す操作はなく、話し言葉をそのまま理解するため、操作の説明は不要です。

反響対応の電話も同じ仕組みで自動化できますか?

入居希望者からの反響は「取りこぼさず内見予約まで最短でつなぐ」営業活動で、入居者対応とはゴールが違います。当社では反響AIコールくんを別サービスとして提供しており、両方を検討する場合もフローは分けて設計します。


この記事は反響AIコールくん運営チーム(株式会社Rabona AI)が、公開されている一次ソースと当社導入事例をもとに作成し、音声AIの開発・運用実務の観点から監修しています。

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